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茨城大学地球環境科学コースは、幅広い分野で研究・教育を展開しています。

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先輩の声:成績優秀者表彰の受賞挨拶

留学体験記
〜ニュージーランド クライストチャーチ・ウェリントン〜

松本史子
H29年理学部 地球環境科学コース卒業
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【はじめに】
 私は2016/9〜2017/4の7ヶ月間、ニュージーランドで語学・研究留学をしました。 前半は南島のクライストチャーチ,後半は北島のウェリントンに滞在していました。 4年後期を休学するという少ないパターンだとは思いますが、少しでも茨大生の役に立てればと思い、執筆を決めました。一体験として一人でも多くの方に知っていただければと思っております。

【留学までの流れ】
 仲の良い友人の留学体験談を聞き、好奇心が強く何事も自分で経験してみないと気が済まない私が留学を決めたのは、2016年が始まった頃です。その後研究室に配属され、担当となった山田先生に相談をしました。 語学留学だけでは物足りないと思っていた私はインターンシップを考えていたのですが、その時に、後に私の留学の軸となる”研究機関で研究をする”という選択もあることを先生が提案してくださりました。 世界中の数々の研究所を挙げてくださり、その中に結果として私が滞在させていただいたGNS Scienceがありました。地震が多く地球科学の観点からとても興味深いこと・英語圏であることから留学先をニュージーランドに決めました。 早速先生に、その研究所の知り合いの方にコンタクトを取ってもらいました。その方がスーパーバイザーを見つけてくださり、私の滞在が決まりました。

【南島 クライストチャーチ】
 カンタベリ大学付属の語学学校に通いながら約3ヶ月半滞在しました。最初は寮に住み,その後はホームステイに近い形で住んでいました。 街の中心部では、東日本大震災の直前に起こったカンタベリ地震の被害がまだまだ残っていました。街の中心から車で1時間ほど離れると、カンタベリ平野の広大な土地とその周りを囲む壮大な山脈、そして無数の羊や牛が広がります。 街も人ものんびりしていています。お店の閉店時間が早かったり休日は閉店だったりと不便な時もありますが、その分家族と過ごす時間が多くなります。これはこの国のとても良い所だと感じました。 ちなみに前首相は家族との時間を増やすために突然辞任しました。批判する人が誰もいなかったのがこの国らしいなと思いました。 幸か不幸か11月中旬にはカイコウラ地震を体験しました(日本でも報道されたようですので、ご存知の方もいるかもしれません)。震源は約100km離れていましたが、大きな揺れを感じました。 地震を研究している身としても、この地震は留学中の最も印象的な出来事となりました。

【北島 ウェリントン】
 Windy Wellingtonと呼ばれるほど風が強く、小さな街の中に海と山が共存している美しい場所です。ニュージーランドの首都で、国政の中心でありビジネス街でもあります。 クライストチャーチから引っ越し、研究のために約3ヶ月間、フラット(1つの建物を数人でシェアするアコモデーション)に滞在していました。クライストチャーチに比べアジア人とくに日本人の数は少ないです。 徒歩圏内に国会議事堂や国立博物館などがあり、とても良い環境でした。実はGNS Scienceはウェリントンから少し離れたところにあったので電車で通っていました。 余談ですがこの電車の線路のすぐ脇に、断層運動によってでできた崖があり興味深かったです。研究所にて、先述したカイコウラ地震は記録史上最も複雑な地震といわれており、その影響で研究者たちはとても忙しそうでした。 しかし、そのディスカッションを聴いたり、直接意見を聞くことができたり、メディアからの取材を見ることができたりと逆にそういった特別な状況を体験することができました。

【留学を通して得たもの】
 当たり前ですが、日本を出れば私たちは外国人です。移民制度が進んでいるニュージーランドでさえ、場所によってはアジア人すら珍しい場所もありました。 最初は戸惑いもありましたが、そういう環境で暮らしていく中で、結局は国や人種,言語の違いではなく、”自分は何者か”つまり”自分は何をどう考えるか”が大変重要であると感じました。 これは日本での22年間では感じることのなかったものでした。また、実は私にとって今回が初めての海外でした。不安も多く、実際にたくさんのピンチがありましたが、様々な人たちの助けで何とか無事に帰ってくることができました。 日本では、人に頼ることはあまり良いこととはされていないかもしれませんが、留学を終えて、私はどんどん人に頼るべきだと思うようになりました。できる人の助けを借りるということがいかに海外ではポジティブであるか、ということを知りました。 最後に、英語を使って研究を進めるということの難しさとそれ以上の楽しさを肌で感じることができたということです。 世界中から集まった研究者の多くが母国語ではない英語を使って、毎日積極的に話し合い議論をしている姿が私にはとてもかっこよく映り、いつか私も彼らのようになりたいと思うようになりました。 学部生でこのような環境に身を置くことができたのは貴重なことであり、とても幸せだったと感じます。将来、海外で再び研究生活を送ることが今の私の目標です。

【伝えたいこと】
 大学の既成のプログラム等を使わずとも研究留学は可能であることを皆さんに知ってほしいです。 そして今回の留学で私が、先生の知り合いの方を通して留学先での研究を実現できたように、予想外のところで素敵な出来事があるかもしれません。 もちろん、そもそも研究自体が初めてで苦労しましたが、特別に英語が得意な訳では無いにもかかわらず何とかなりましたので、臆せずに挑戦してほしいと思います。 人脈は目には見えませんので、周りの人間に、留学に限らず自分のやりたいことなど積極的に相談してみても良いかもしれません。

【さいごに】
 急であり自分勝手で強引な留学だったにもかかわらず応援してくれた家族,たまに連絡をくれ大切な時には支えてくれた友人たちにこの場を借りて感謝を述べたいと思います。 GNS Scienceの金子さん,スーパーバイザーだったIanさんには滞在中大変お世話になりました。そして何よりも、休学しての留学中も数々のサポートをしてくださった山田先生のご提案と助けがなければ私の留学は実現しませんでした。 本当にありがとうございました。
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